ジャバラ設計者のよもやま話

設計の本質

製品設計に携わる技術者は、製品設計において構築しようとする場合、学校で膨大な時間をかけて学んだ計算が使えるのは
わずかな割合でしかない。

大阪デザインセンターにおられた藤井敬温先生の教え、多くの優れた絵画・彫刻・工芸品の本物をよく見てその感覚を記憶
しなさい。
日本海軍の航空機設計されていた山本晴之先生は自然の物におけるバランスがなぜ良いのかの原因を認識しなさい。また、
記憶にある物体、例えばユリの花をイメージしてスケッチが出来るように成りなさい、単にスケッチするのではなくて力学
的に成り立っていることを表しなさいと教えていただいた。
この教えは設計図を見て一瞬でその設計が合理的か、いちいち計算せずとも判断することが可能になる。
しかし、その判断が正しいかどうかの証明は必ず行わなければならない。
(何故ユリの花なのかは簡単そうであるが、実際には難しくよく特徴をとらえて記憶しなければ描けないため。)

実際の例
関西国際空港の工事中、レンゾ・ピアノ氏の設計事務所を訪ねた、その事務所フロア全体に精密な空港建築物模型が設置
されていた。検討依頼を要求された部分の説明を、その模型によって受けた経験がある。打ち合わせはイラストによる検討
であった。
製品設計では、要求の条件に沿う製品形状をイメージし、その要求に沿えるかを心の中で動作させたり、負荷を与えたりして、
満足できる条件を考えなければならない。

建築構造物における崩壊事故は世界中で発生している。日本では建築基準法に基づいた設計基準をもとに設計され製作されて
いるが、阪神高速高架橋のような想定外の負荷による崩壊が発生している。それら等によって建築基準法の基準は常に見直
されて改変されている。
しかし、計算だけでなく、感じる力でとらえて不安があればよくよく「心眼」で検討すべきである。

2025/4/16 HW

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