宮本武蔵著 「五輪の書」

宮本武蔵著 「五輪の書」

水の巻 第三節 兵法の目付

昨今、メディアの発達は目覚ましく、スマートフォンで簡単に情報にアクセスできるユビキタス社会が実現している。従来、メディアには放送法や、倫理規定があり限度を超えた「殺人の映像」や「犯罪の指南」などの情報は無かったが、今では限度を超えた情報が存在し簡単に手に入れることができる。このような状況の中で突発的な暴力にさらされる場合が起こり得て、また現実に起きている。突発的な暴力に遭わないためには一般的に次のような対策が言われている。

1、にぎやかな場所では危険が多いことを認識する。

 「劇場型」犯罪、周囲の注目を浴びたい、マスコミなどを騒がせたいと言う犯罪はにぎやかな場所で起きる可能性が高い。

2、歩くとき、周囲を意識して気を配って歩く。

  スマホをイヤホンで聞きながら、スマホを見ながら歩くなど、周囲を意識しないでいると犯罪に狙われやすい。

このような周囲を意識する方法として、宮本武蔵著の「五輪の書」にある、水の巻 第三節兵法の目付と云う事は役立つ方法として紹介します。

宮本武蔵 五輪の書
水之巻 第三節 兵法の目付といふ事

一 兵法の眼付と云ふ事

(原文)
眼の付け様は、大きに広く付るなり。観見の二つあり、観の目つよく、見の目よわく、遠き所を近く見、近き所を遠く見ること、兵法の専なり。敵の太刀を知り、聊かも敵の太刀を見ずと云事、兵法の大事なり。工夫あるべし。此眼付、小さき兵法にも、大なる兵法にも同じ事なり。目の玉動かずして、両脇を見ること肝要なり。か様のこと、急がしき時、俄にわきまへがたし。此書付を覚え、常住此眼付になりて、何事にも眼付のかはらざる処、能々吟味有べきものなり。

眼のつけ方は

1、「遠くと近く」を一緒に見る

2、目を動かさないで両脇を見る。

3、要するに前を見る方法でひとところに焦点を合わさないで見る。

このような目付けをしますと、例えば大阪の地下街を歩くと遠くから来る人の動向が予測できますし、近くの人の動向も一緒に判断できます。

また、前から来る人の挙動を観察すれば後ろの様子も判断可能になります。

このように周囲の情報を判断していれば情報を早く察知できて、危険を回避できます。

余談ですが、逃げる態勢は、上半身の力を抜いて膝を軽く曲げてつま先に重心を移動させることが肝要です。この逃げる態勢は普段の訓練が必要です。

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