ジャバラ設計者のよもやま話
危機に対する瞬間的対応方法
スポーツと言えるのかどうかと思いますが、最近、eスポーツの普及が進んでいます。この競技は目が重要で、
その動体視力とそれに呼応する手の反応速度がポイントです。
近年の研究によると、目から得られたデータを行動に移す動作の速度は、反応の優れた人で約1/100秒以内
だそうです。
(引用文書:東京都市大学 人の目は1000分の8秒の変化を認識)
剣道の名人達者たちは、相手の剣の動作が非常にゆっくり見えると言いますが、これも名人達者になる過程で
動体視力が訓練で身についたか、または、万人が持つ動物的先天的能力を意識的に発揮できるようになったものと
考えられます。
ある中学生の少年が体験した危機回避
自転車に乗って道路の横断歩道で待機していたところ、タクシーが横断歩道で停車してくれた。少年は自転車に
乗って横断を始めたが、タクシー運転手の「危ない」という叫び声で右側を見た。そこにはタクシーの後部ぐらいに
単車が突っ込んでくるのが見えた。少年のとっさの判断は単車との衝突は避けられないので、右足を自転車の
フレームに乗せて単車が衝突すると同時に自転車を蹴って飛び上がれば単車との衝突をかわせると瞬時に判断した。
右足を持ち上げフレームに乗せようとする瞬間に単車のタイヤの先が迫ってくるのが見えたが、その空間は非常に
ゆっくり変化しているような感覚で、自転車のフレームに足をのせる時間として十分な時間、その空間が無くなると
同時に右足で自転車を踏みつけ、衝突の瞬間の衝撃による力を飛び出す力として空中に浮きあがった。
空中へ飛び出した少年は、ケガをせず着地する方法はないかと、空中を飛びながら探す。街路樹の枝につかまって
助かる方法は街路樹との距離が離れていて不可能。高所から両足での着地経験を思い出して着地時の衝撃を両の
手のひらと肘と肩の強さで和らげる方法が非常にうまくいった。あとは体を丸く丸虫のようにと念じて転がった。
危機対応
実験によると、ネズミは初めて危機的状況に遭遇すると「パニック反応」を起こすそうです。一方経験を積んだ
ネズミは、パニック反応を起こさず、最も安全なルートを探して対応でできると言います。
人間も同じだと思われますが、危機対応が可能なことを知れば「パニックにならずに対応できる」ということを
知識として持っておくことは大切です。
危機に対して肝心なことは、絶望すること無く、状況に対して絶対に目をそらしたり、目をつむったりせずに
落ち着いて対応すること。そうすればたいていのことは対処できる、と信じてほしい。
2024/12/25 HW
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